フルサイズ用Eマウントレンズはラインナップが豊富なため、最初の1本はどれを買うか非常に悩むところです。
本記事では、ぼくが最初に購入したフルサイズ用Eマウントレンズである、SEL35F18Fの正直なレビューを行っていきます。
購入から約2年経ち、その間様々なレンズを試してきましたが、結局SEL35F18Fが僕の相棒です。
2年間の使用を踏まえて、良い点と悪い点を解説しますので、SEL35F18Fって実際どうなんやろ?と悩んでいる方へ参考となれば幸いです。
まずはスペック
スペックを確認しますが、詳しい情報は公式サイトを見ればいい話ですので、さくっと重要なスペックのみ整理します。
寸法 | 長さ:73mm、最大径:65.6mm |
重量 | 280g |
焦点距離 | 35mm |
最短撮影距離 | 0.22m |
明るさ | F1.8 |
レンズ構成 | 9群11枚 |
フード | 花形バヨネット式 |
ざっとスペックを確認できましたので、外観を確認します。
外観をチェック
レンズ単体の外観はこんな感じ。
シンプルなデザインで金属鏡筒のため、安っぽさは感じられません。
操作機構はピントリング、フォーカス切り替えボタン、フォーカスホールドボタンのみで、 操作中に迷うことはないでしょう。
手のひらに収まるサイズ感でかなりコンパクトです。
α7Cに装着した様子がこちら。
どのボディに装着してもバランスがいいので、αユーザーが心配する必要はないでしょう。
外観の確認はここまでにして、実際の使用感を魅力と欠点にわけて解説します。
SEL35F18Fの魅力について
SEL35F18Fの魅力を書き並べると、ざっとこんな感じ。
- 軽量コンパクト
- 35mmという焦点距離が万能
- 最短撮影距離が短い
- 明るく開放から高解像
- オートフォーカスが高速
- 価格が安価
ひとつずつ詳しくお伝えします。
軽量コンパクト
SEL35F18Fの最大の魅力はその軽量コンパクトなサイズ感です。
長さは73mm、最大径65.6mmで重量は280gと、フルサイズミラーレス機にも関わらず、ボディと合わせて1kg以下のシステムが組めてしまいます。
ボディ | ボディ重量 | 合計重量 |
α7C | 509g | 789g |
α7Ⅲ | 650g | 930g |
どんなに優れたレンズであっても、でかくて重いだけで機動力も快適性もゴミになるので、小さくて軽いは正義です。
街中や旅行のお供、お子さんがいる方はお子さんとの外出中にも気軽に持ち出せる大きさなので、初めの1本目にはもちろん、とりあえずバッグに突っ込んでおく運用もおすすめです。
35mmという焦点距離が万能
カメラの世界にはいわゆる「標準レンズ」と呼ばれるモノがあります。
標準レンズの定義としては、ざっくりと肉眼の視野に近い焦点距離のモノですが、もっと簡単に言えば、「最も汎用的なレンズ」と考えて頂ければ問題ありません。
巷では標準レンズは50mmか35mmかという議論もありますが、ポートレートを撮らないのであれば、35mmは圧倒的に汎用性が高いです。
風景からスナップ撮影、お子さんや友達といった被写体を目立たせる写真まで、何でも撮ることができます。
もっと大きく写したいという場面では、スーパーAPS-Cモード(1.5倍クロップで撮影)で大きく写すこともできるので、どんな場面でも不満なく写真撮影が可能です。
SEL35F18F を検討する際に、比較対象としてSEL55F18Fが挙げられますが、汎用性の高さではSEL35F18Fが圧倒的に優れています。
最短撮影距離が短い
SEL35F18Fは最短撮影距離が0.22mと、非常に短いため被写体に寄って撮影できます。
最短撮影距離は、被写体にピントが合わせられる最も近い距離を表します。
ちなみに、この最短撮影距離を把握せずにレンズを購入すると痛い目を見るので、必ずチェックをしておきましょうね。
最短撮影距離が短いため、料理などのテーブルフォトや花を撮影する際にストレスなく撮影ができます。
特にテーブルフォトは、席に座ったままの状態で撮影できるのでめちゃくちゃ助かります。
また、近寄ってくるお子さんやペットをばっちりピントを合わせて撮りやすいのも魅力です。
明るく開放から高解像
SEL35F18Fは開放のF値が1.8のため、明るくて背景をボカした写真を撮れます。
せっかくフルサイズのカメラを手に入れたのに、あまりボケないレンズを使うのはもったいないですよね。
広角のレンズは基本的にボケにくいのですが、F1.8もあればしっかりと被写体を際立たせるのに十分なボケ味を楽しめます。
背景に大きな玉ボケを取り入れた撮影も可能です。玉ボケの形は若干レモン形ですが、大きな破綻は見られません。
また、開放(F1.8)でもピント部の解像は高いです。さすがにバッチバチなキレはないですが、不満は全くないレベルです。
ちなみに当たり前ですが、F8.0ぐらいまで絞ると四隅までしっかりと解像するので、描写力という点は十分及第点です。
オートフォーカスが高速
ソニーといえば、他社と比べてオートフォーカスの速さと正確さが魅力の一つですが、この SEL35F18Fのオートフォーカスもくっそ速いです。
動き回るお子さんやペットの撮影も余裕です。
カメラを構えてすぐにピントを合わせてくれるので、遊びや旅行中に友達の何気ない表情を撮りたいなと考えている方にもおすすめです。
ここまで書いてきた魅力すべてに当てはまることですが、「G」や「GM」の名を冠していない無印のレンズでここまでオートフォーカスが速く正確なのは驚くべきポイントです。
価格が安価
フルサイズ用Eマウントレンズって、どれもくっそ高くないですか?
タムロンやSIGMAといった安価なサードパーティー製レンズのラインナップが豊富といえども、当然純正レンズの方がカメラの性能を引き出せます。
できるだけ安価で写りと機能性が優れた純正レンズを手に入れたいと思っても、そんなうまい話はない。そう思ったあなたに朗報です。
SEL35F18Fはけっこう安価に購入できます。
なんと新品でも61,000円程度で購入できます。中古ならさらにお安く50,000円程度から手に入ります。
わけわからんぐらい安いです。レンズにそこまでお金をかけられない方も多くいるでしょうから、とりあえずSEL35F18Fを買っておいて楽しむのがおすすめです。
SEL35F18Fの欠点について
ここまでSEL35F18Fの魅力を語ってきましたが、次にSEL35F18Fの微妙な点も紹介します。ほめるだけじゃフェアじゃないですもんね。
- コンパクトではあるが若干長い
- 絞りリングがない
- 独特な色味がない
コンパクトではあるが若干長い
SEL35F18Fは軽量かつコンパクトなレンズなんですが、あえて言うならもう少し短いともっと嬉しかったです。
ボディに装着した場合、奥行きはそれぞれ下の長さになります。
この奥行だと持ち運ぶバックが若干限られるんですよね。
小型ミラーレス用のカメラバッグだとけっこうきついです。
かといって、このレンズだけ持ち運ぶならごついカメラバッグだと大げさなんですよね。
ぼくが普段使いしているグレゴリーのショルダーバッグならちょうどいい感じなんですが、もうすこし短ければ、もっと気軽に持ち運べるのになと思います。
絞りリングがない
SEL35F18Fの機構はピントリング、フォーカス切り替えボタン、フォーカスホールドボタンのみです。
これだけあれば十分っちゃあ十分なんですが、α7Cをメイン機にしているぼくにとっては、レンズ側に絞りリングがあれば完璧でした。
α7Ⅲなどをメインにしていれば、カメラ側にダイアルが豊富にありますので、特に気にならない欠点ですが、レンズに絞りリングがある方が操作性が優れますので、できれば絞りリングをつけてほしかったですね。
独特な色味や描写がない
独特な色味や描写がない
これは良いところでもあり悪いところでもあります。
悪いというよりも面白くないといった評価です。
レンズには、それぞれの特色が描写に現れます。
分かりやすいところで言えば色味なんですが、妙な色付けなくありのままの場面を切り取ってくれるのがこのSEL35F18Fです。
使いやすくもあり、面白くなくもある、そんなレンズになっています。
まとめ
ここまでSEL35F18Fを2年間使用してきましたが、不満なくぼくの相棒として活躍しています。
はじめてフルサイズミラーレスに挑戦する方は、とりあえずこのレンズを買っておけば間違いないと、自信をもって言えます。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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